『２１世紀へ』

「オダギリくん、はい、これ」
「なんですか？これ？」
「ビデオテープやん」
「そりゃ分かりますけど。葛山さん、マジボケはキツイっすよ」
「オダギリくんがなにゃて聞くからやろ」
「ハイハイ。で、なに入ってるんですか？釣り番組？」
「なんでボクがオダギリくんにつり番組とらなあかんの。あれやよ、オダギリくんの出てる番組」
「クウガ？」
「返して」
「わーっ、すみません、ジョークジョーク！」
「わっかりにくいジョークやな。そんなんじゃお笑いの星はめざせんよ」
「めざさないからイイです。えっ？あれですか？ＢＳデジタルの」
「そ。キミチューナーないって言ってたやろ？」
「チューナー以外にもないのはいっぱいありますけど。うわぁ〜、ありがとうございます。俺まだこれ見たことなくて」
「うん。だからあんまりあちこちで見てない見てない言うのやめるんよ？」
「は〜い。ところでスゴイですね、葛山さん。ＢＳデジタルも見れるんだぁ」
「やって小百合さんが言うんやもん」
「は？小百合さん？」
「吉永小百合さんを知らんとは、さてはキミ田舎もんやな」
「いや知ってますよ、それくらい。いくら俺は芸能界疎いたって。でもなんで小百合さん？」
「２１世紀に持っていくもんはよ決めなさい言うてるやろ？」
「だからチューナー買ったんですか？マジで？」
「チューナーちゃう」
「じゃ、何を？ケーブルですか？」
「うちことケーブルとおってないもん」
「ってことは……？」
「内臓テレビやもん」
「☆●＠→◇〜！？」
「どしたのオダギリくん。めっちゃ面白い顔になってるよ？」

　

　

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きっと葛山さんはＢＳデジタル見れるんじゃないかな〜、と（笑）。小百合さんに言われたら、やっぱり買っちゃうよね！

　

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