『あけましておめでとう！』
「あけましておめでとうございます！」
「…………コレ幻？」
「違いますよ、ホンモノですよ。いれてくださいよ、葛山さん」
「ならなんで貴重な正月オフに、ボクの部屋の前にオダギリくんがいてるの？」
「じゃん！おせち料理の差し入れで〜す！中華風だけど」
「そ。ありがと」
「うわわわわっ！ドア閉めないでくださいよ！一緒に食べましょうよぉ」
「オダギリくん、ボクらはつい昨日までおせおせおの撮影をして顔合わせてたんだよ？なんで正月まで一緒せなあかんの？」
「だって、ひとりでお正月って、さびしいじゃないですか。葛山さんだって、いい加減目も覚めたでしょ？」
「まぁ、もう酒も抜けたけど……」
「そりゃよかった。ほら酒部隊の到着だぞ〜」
「なんで大塚さんまで？」
「オダギリに呼ばれたんだよ。うまい中華食わせるから葛山くんのとこに集合って」
「うちは集会所と違う……」
「まぁまぁ」
「そうそう。寒いから中入れてくれ。ほれほれいい酒だぞぉ。地域限定品だぞぉ」
「うっ、大塚さん卑怯や」
「なんとでも。お邪魔しま〜す」
「お邪魔しま〜す」
「あ、コラ、ええなんてひとっことも……」
「あ、かずのこある」
「おー、さすがビールはそろってるな、こののんだくれめっ！太っても知らないぞ！」
「大丈夫です！俺の中華、ちゃんとカロリー計算してありますから！」
「中華とカロリー計算……、なんか似合わない響きだな」
「えー、そうですかぁ？」
「だからここはボクんちだと」
「コップコップ……」
「お皿……、数ないけどそろいじゃなくてもオッケーですよね？」
「だから！」なにはともあれ、『あけましておめでとうございます』