『WHITE WORLD』
「寒いッスねぇ、葛山さん〜」
「そうだな」
「雪原って、どうしてこんなに寒いんでしょう」
「（まったくだ）」
「ああ、俺、もうダメ〜」
「寝るな！寝たらあかん！オダギリくん！死んでまうで！」
「寒いです〜」
「寒いなぁ」
「…………」
「…………」
「オダギリくん！僕らはホモや！」
「そうですね！葛山さん！」「……何してんですか？あの２人」
「寒いから手ぇつないでるんでしょう？さっきまで素手で雪合戦やってたんだから、そりゃ寒いよねぇ。で、このときの構えなんだけどね」「……葛山さん」
「ナニ？オダギリくん」
「あんまりあったかくないですねぇ」
「そりゃ手だけつないでてもなぁ」
「…………」
「…………」
『も、もう一度君を抱きしめさせてくれ！な、なんて素晴らしいライバル！』
『君こそ、大リーグボールの価値を下げてまでボクと勝負を……』「……なんか、抱き合ってるように見えるんですけど……」
「気にしない気にしない。寒いから『巨人の星』ゴッコでもはじめたんでしょ。で、このときはやっぱりもうちょっと分かりやすく笑ってもらったほうがいいみたいだったんだよね」「葛山さん、寒いです〜」
「僕もやぁ、オダギリく〜ん」その日、某志賀高原は、この冬１番の冷え込みを記録中だったという……。
いやなんですね、およその国ではいい年した同性が手をつないでいると同性愛のヒトと目されるとかいう話でしたので……（笑）。
寒かったでしょうねぇ。