「ほら、ロンこれが僕の両親」
　ハグリッドからもらった亡き両親の写真集を、
ハリーは寮にもどると真っ先にロンに見せた。
「まえにみぞの鏡で見せられなかったろう？
ハグリッドが集めてくれたんだ」

「へぇ〜。お父さんって、ハリーにそっくりだね。
眼鏡かけてるとこまで似てる！」
　写真の中、仲睦まじそうによりそっている２人は、
ハリーとロンに親しげに手を振っていた。

「目はかあさん似だって言われるんだ」
「ああ、そうだね。君の目緑だもんね。
ふぅ〜ん、たくさんあるんだなぁ」
「僕、かあさんが赤毛だなんて知らなかったよ。
おばさんもブルネットだしね」
「うん。僕の髪もこのくらい濃い色だといいんだけどなぁ」

　一家全員同じ色。
サマーオレンジか夕焼け色か、という髪の色が実はロンはあまり好きではなかった。
兄たちと違う色なら、なんでもいいのかもしれないが。
「見せてくれてありがとう、ハリー。宝物だね」
「うん。しまってくるよ」
　自室に写真を運びながらハリーは考えていた。

　

（これで『両親に紹介』は済んだから、
あとはロンの家族に正式に紹介してもらわなくちゃな。
まえに一応約束はしてあるし、夏休み中がチャンスだ。
なんとかしてウィーズリー家に招待してもらわなくっちゃ……）

　ハリーの腕の中で、写真の中の両親が、苦笑したとかしなかったとか……。