Picture by シバシゲ様
【いつかは暮れる世界】

「なぐさめてやろうか？友達甲斐に？」
久しぶりに戻ってきたベルフェゴールに、魔王はそう言った。

「確かに私は傷心だ。おまえにはそれが分かるのか？」
断りもなく身の上に乗り上がってきた魔王に、ベルフェゴールは手を伸ばした。元より禁忌も遠慮もない間柄だった。
「分かるとも、我が古き友よ！性懲りもなく人間相手に『結婚』なぞしてきて、また相手を黒焦げにしてきたんだろう？」
「今度は違う」
痩身の魔王の身体には重みというものが存在しない。文字通り羽根いちまいほどの軽さ。ふわふわと人の膝に乗り、惜しげもなく手足を晒し、この身体に欲情しろと誘いをかける。
「八つ裂きにしてきた」
魔王は、楽しげに甲高い声をたてた。

「その懲りないところが、あんたのかわいいところだがな」
髪を一房取り、顔を寄せる。
「どうしてくれる？あんたが長く留守していたおかげで、こっちは干上がりそうだったんだぞ？」
「――――女にはなるな」
魔王の腰に手をやって、官能を呼び起こす手つきで撫で降ろす。
「ややこしいのはもう飽き飽きだ」
「そう言っておきながら」
人間なら、息がかかるほどの近さで、魔王は囁いた。
「また試したくなるクセに」
高い声を出して、笑った。今度は、２人一緒だった。

　　　◆　◆　◆

魔天絵のくだされものでございます。
ベルフェゴールさんはデネソールさんの顔をした、ルシファー様の枕友達、という設定。
おそろいの黒い爪が――――！！
魔王様の太腿が――――！！
いかがわしげな表情が――――！！
ああ、何もかもステキ……。

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