（どうしたもんだろう……）
エリックは悩んでいた。
最近どうもブラッドの様子がおかしい、どうも悩みがあるようだとパトロクロスとエウドロスに相談した結果、
ブラッドの友達にそれとなく聞いてみれば？というアイデアが出てきた。それはいいのだがしかし。
（本人に聞くよりも先に、人に聞いてみるというのはなぁ）
そう思ってしまうのだった。
からめ手で行く前に、相手に１度直接、当たってみたいと思ってしまうのだった。率直につつみかくさず。
（しかし、ブラッドはうちあけてくれるのだろうか）
考えながらも手は動いていた。
こういうときは単純作業をするに限ると思ったエリックは、カーテンやシーツまで洗濯し、生活部分の掃除を一通り済ませ、
それからはキッチンに籠もっていた。
（今日がやすみでよかった）
でなかったらなにかものすごいミスをしてしまっただろう。
（それにしても……ブラッドの悩みってなんだろう？）
エリックはため息をつきながらシチューをかきまわした。
今夜のメニューはおだんごのシチューとボイルドビーフ、ブラッドの好物だった。
（夕食のときに酒でも飲ませて、口のほぐれてきたところで聞いてみればもしかして話してくれるかもしれないな）
エリックはすっかりブラッドから聞き出すためには、という考えに囚われていた。
（もしかしたら、仕事上のこととかで、言えないことなのかもしれないし、な）
そうなったら無理に聞き出すことも出来ないし、とかなり低いながらも可能性がないではないことも考えていた。
（もし……そうなら、エウドロスに聞いたあの方法で……）
パトロクロスの推奨する、恋人と慰めるにはこれだよ！という方法を、エウドロスから聞いていた。もしものときは、それを……
と思うものの、くわしく教えてもらったその方法のことを考えるだけで。顔が赤らんでしまうエリックだった。
（私に……出来るだろうか……？でも……ブラッドがそれで……慰められるというなら、思い切って……だがしかし……）
エリックはすっかりそのことを考えるのに夢中になってしまっていたので、ブラッドの車が入ってくる音に気づかなかった。
気づいたのは、ブラッドがキッチンの戸口に入ってきてからだった。
「……ただいま？エリック？」
不覚にもそこまで接近されるまで気づかないとは！？ということは、エリックにとってはあまりに大きな驚きだった。
「お、かえりブラッド……ごめん、気がつかなかった」
お玉を持ったまま振り返ったエリックを、ブラッドはそっと抱きしめた。
「具合でも悪いのか？」
そのままブラッドは、こつんとエリックとおでこを触れ合わせた。
「熱はないようだけど」
「大丈夫、ちょっと、ぼんやりしてただけだから」
（ああ、好きだなぁ）
こうしているとしみじみそう思った。
ブラッドに触れること、触れられること、声を聞くこと囁くこと、そういったことのすべてがとても。
（ブラッドのこと、すごく好きだなぁ）
エリックはブラッドの肩口に顔をうずめるようにして、頬をすりすりと擦りつけた。
その行為がもうしあわせだった。ブラッドといると呼気までもが『しあわせ』で満たされるようだった。
しあわせすぐて、涙が出そうになるほどだった。なら、なにをためらうことがあるだろう、とエリックは思ったのだった・
「ならいいけど」
ブラッドも、よりかかってくるエリックの重みを愛しく受け止めながら髪の匂いをかいだ。
「夕食はおだんごのシチューか？」
エリックの背中を撫で下ろしながらブラッドは言った。ブラッドのその、笑いを含んだ声を聞くと、エリックの気持ちも明るくなるようだった。
「うん……あとボイルドビーフ」
ひゅぅ！っとブラッドは口笛を吹いた。
腕をつかみなおして、エリックの頬に情熱的なキスを贈った。
目を白黒させるエリックのくちにもキスすると、１センチも離れない、瞬きすればまつげがぶつかるんじゃないほど近くでブラッドは言った。
「俺はなんてしあわせ者なんだろう！」
歌うように夢見る瞳で言うものだから、エリックは面食らってしまった。
「おだんごのシチューが、そんなに嬉しかった？」
そんなに久しぶりだっただろうか？とエリックが首を傾げた。わりとエリックは、本当の本気でそう思うのだった。
そういうところが、ブラッドにはたまらないところでもあった。
「大好きなエリックが、大好きなおだんごのシチューを作ってくれて、一緒に食べられるのが嬉しい、んだ」
まさに、喜色満面を絵に描いたような笑みを浮かべてブラッドは言った。
「ブラッド……」
「ただいまは言ったけど、ただいまのキスがまだだったよな、エリック？」
そう言うブラッドの息が、エリックのくちびるにかかった。その息に誘われるように、エリックはくちを開いていった。
「そんなの、何度でも……」
したらいいじゃないか、という言葉は、重なるくちびるの間に飲み込まれていった。
熱い抱擁と熱いキスの間を、おだんごのシチューはけなげにも耐えていた。
エリックは、火を小さくしておいて良かった、と思いながらブラッドとのキスに酔ったのだった。
「ピザ買ってきたのか？」
テーブルの仕度をしながらエリックは言った。ブラッドはピザのひらたい箱を持ってきていたのだった。
「うん……なんとなく」
「ピザが良かった？」
今日は出張だから、と思って作ったんだけど、とエリックはピザの箱を眺め下ろした。
「違う違う！それはその……おみやげとうか……」
「うん？」
さきほどまでとは打って変わってしどろもどろになりながらブラッドは答えた。まるで、分からない問題を当てられた小学生みたいだな、とエリックが思うほどだった。
「ちょっと……心配になって」
「心配？何が？」
「今日ちょっと、ついてなかったから、つい」
「ついてないとピザなの？」
ピザってラッキーアイテムだったっけか？と首を傾けたままになってしまったエリックに、ブラッドはちがうちがうと話を続けた。
「エリックになにか急用でもはいって、夕食の準備が出来てなかったりしたら、悲しいなぁと思って」
「ああ、なるほど」
それで、と納得したエリックが笑ってくれたので、ブラッドも胸をなでおろした。
決してエリックの作ってくれる食事が嫌だとかどうしてもピザが食べたくて買ってきたわけじゃないのを分かってもらえたのならば。
「なら、食事にしようか」
「ああ」
「あ、でもどっちにする？シチューは明日でも大丈夫だけど？」
「いやシチューにする！」
エリックの問いかけに、ブラッドはきっぱりと答えた。そりゃあピザやハンバーガーも好きだけど、出張から帰って――――そうじゃなくても、日々の仕事でも、
自分で作ったものだって食べられないわけじゃないけども――――エリックの用意してくれたものを食べるのが１番の幸せなんだから！
とブラッドは熱弁をふるったのだった。
「わ、分かったからブラッド……じゃあこのピザは夜食にするか、冷凍して今度食べよう」
ブラッドのあまりの熱の入りようがこそばゆくて、エリックはそう言った。
「そ、そう？」
誤解を解かねば！と思うあまりにエリックをシンクに追いつめてしまったブラッドは、やっと安心した。
「お酒の用意してくれる？何がいい？」
ほっとした顔をになったブラッドの頬に手を添え、そっとキスをしてエリックは言った。
「もちろん。そうだな、今日のメニューなら、ワインかな？」
エッリクの手とエリックのキスと、エリックの言葉にうっとりしながらブラッドは言った。しかしすぐに。
「あ、しまった」
両手を、ホールドアップの形に挙げてそう言った。
「なに、どうしたの？」
「手も洗ってないし、うがいもしてない」
「早く着替えておいで」
用意して待ってるから、とエリックが笑うと。
「はい！」
ブラッドは良い子の返事とともに、いっさんに駆け出した。
ほんのちょっとでもエリックと離れるのが嫌で、その姿を目に焼きつけていったものだが。
「……ブラッド」
シャワーを浴びてきたエリックがベッドにとりついたのはバスローブ姿だった。
雑誌を見ていたブラッドは、ベッドに重みがかかったのでそちらを向いた。そして、身を乗り出すエリックの腕を取ってキスをした。
「いいかな？」
疲れてない？とお伺いをたてるエリックが、バスローブ姿で来るというのは誘っているしるしで、それは２人に共通のサインで
ブラッドがエリックのそれを拒むことも、エリックがブラッドを拒むことも滅多になかった。
「全然平気」
笑ってそう言いながら、いつものようにエリックを抱き込もうとすると、当のエリックがやんわりとその手を拒んだ。
「エリック？」
「ちょっと、ためしてみたいことがあるんだが……やらせてくれるか？」
「もちろん」
エリックの好きにしていいよ、のオーズでブラッドは両手をあげて見せた。エリックはベッドをきしませながらあがると、ブラッドの前に膝立ちになった。
「上手くいくかどうか分からないんだけど……」
「やってみようよ、なに、どんなの？」
「うん……」
答えずエリックは、ブラッドのパジャマのボタンをはずして胸にキスしはじめた。
顔を寄せて心臓の音を聞くだけで震えがくるようだった。これからやろうとしていることに、心は決まってくるものの、鼓動はタップダンスかタンゴでも踊って
いるようで、ブラッドに聞こえて見透かされてしまうんじゃないかとドキドキした。
「ブラッド……」
「……うん？」
ブラッドの胸にキスしたり舌を這わせながら、エリックの手はブラッドのパジャマのズボンの中にしのびこみはじめていた。
その下にもあるゴムをもくぐりぬけると、そこには熱い塊が潜んでいた。
自然と喉がごくりと鳴った。今度こそその音は聞こえたようで、ブラッドもエリックの髪をすきながら喉を鳴らした。
「エリック……」
「うん……」
髪ごしに地肌を撫ぜ、耳の後ろをそこから首を愛撫されていた。何度かその指の動きに中断させられながらも、エリックは続けていった。
「……吸っても乳は出ないぞ……」
「そういうのはもう卒業したからいい……」
吸い上げるとブラッドの乳首は尖った。触れられてもいないのに、エリックの乳首ももう立っていた。
触れられてもいないのに下肢はもうおかしなくらいに興奮していた。これからすることを思うと、どうしようもないくらいに。
「ブラッド……」
「あ……」
エリックが下生えを越えてブラッドのモノにくちびるを寄せると、ブラッドは片手で目を覆った。
ちゅっと吸ってるせると喉の奥で呻くような音をさせた。
ブラッドはヘッドボードに背をもたせていて、のけぞるとごん、とにぶい音を立てていた。
（ブラッド……ブラッド……）
口が塞がっているので、呪文を唱えるようにしてエリックは頭の中でそうくり返した。
苦いような味が口の中に広がってきたときには、なんだか涙が出て来そうになった。
ブラッドが何を思って夜自分を見ていたのかは分からなかったが、少しでもこれで慰められるといいのだが、と思った。
やがてブラッドは口に余るほどに育ってきて、喉を突くのも限界のようで小刻みに震えてきていた。いつものように、それを最後まで感じていられないのを
残念に思いながらエリックはブラッドから口を離した。濡れそぼつものは、落とした灯かりの中でもひくついているのがよく分かって、今すぐにでも
また口にして、ブラッドを開放させたくなってしまうほどだった。
でもエリックはそうはしなかった。すでに準備は整っていた。心も、身体も。
「エリック……？」
手にしてはいるものの、唾液で濡れたまま口から出されたことでぬくもりを失ったことで、少し嵩は減ったように思えた。
「待って、すぐ……」
エリックは紐でかろうじてまとわりついているだけの状態になっているバスローブを邪魔に思いながらずりあがりブラッドを跨いで、少し浮かせていた腰を
ゆっくりと落としていった。手にした、ブラッドのもの目掛けて。
「エリック？」
つぷ、と音がするのを聞いたような気がした。ブラッドの先端を体内に取り入れた音を。
「あ……っ」
「エリックっ！？」
エリックが思わず身を仰け反らせるのと、ブラッドがエリックの腰を掴んで退けるのとがほぼ同時だった。
極めようとしている瞬間に水をさされたような顔をしたのはどちらも一緒。そして、相手のしたことに驚いた顔はまるで、鏡に映したようだった。
「それで、あの坊やに指令は出したのね？」
女神のように美しい女は、いとも優雅にそう言った。
「それはもう確かに」
男は、テーブル席ではあったが恭しく頭をたれ女に報告した。そうすることが無上の喜びのように。
「あんな若造では、おぼつかないことおびただしいがな」
仰け反るようにして椅子に座っている男が言った。その胸の張り方には、多分に虚勢も含まれているようだったが。
「成し遂げてもらうための指令ではないのだから構わないわ。むしろ、成功されては困ってしまうもの」
艶然と女は笑った。そして、一口紅茶を飲んだ。
そのさままでもが高雅で美しいと最初の男は心服したし、相変わらずえらそうなことだと後の男は心中毒づいた。
「これで、駒は出揃ったようね。あとはその駒がどう動くのか……」
２人の男の考えることなどお見通しである、というような、何もかも見透かす目で女は言った。
女の腕には手作り風の白い貝のブレスレットがあった。それが動きにあわせてしゃらしゃらと鳴った。
「あの２人……いえ３人から目を離さないようにね」
「承りました」
白髪清雅な男が言った。
「承知」
巻き毛の押し出し立派な男も唱和した。
「さて、いったいどうなることかしらね……」
高みからビルの森を見下ろしながら女は言った。口元にはうっすらと、事態を楽しむ笑みが浮かんでいたのだった。
「どういうことなんだ！ショーンに、何を聞いた！？」
「え……え？ブラッド……？」
ブラッドめがけて身を沈めようとしていたエリックを、力任せによけるとブラッドはがなりたてた。
人にならともかく、ブラッドがそんな牙向いてかかってくるようなことをしたことがなかったので、エリックは事態がなかなか飲み込めなかった。
そうでなくとも、今まさにブラッドを収めようとして、先端だけを含んだところだったので
そうするんだと言い聞かせてばかりいたので、とっさに方向転換することが出来なかった。
「ブラッド、なに……？」
しかしブラッドは、エリックのそんなとまどいを違うふうに解釈した。
「あいつに……ショーンに何を聞いたか知らないが、こんなことを……する必要はないっ！！」
「え……？」
ブラッドが怒っていること、それがショーンが何か言ったせいだと思っていること、それだけは分かったが、ブラッドが何が気に入らなくて
声を荒立てているのかが、エリックにはさっぱり分からなかった。
「ブラッド……？」
だからぐるぐる逆巻くものをおさめきれずにだが懸命に、頼りなく呼びかけるのが精一杯なのに、それもブラッドは図星を指されたため、と
解釈した。そしてきっぱりと言った。
「エリックがこんなことをするなんて……絶対に、それだけはしちゃならないんだ……」
「え……あ……」
途中でやめさせられたからだけではない震えが起こるのを、エリックは止めることが出来なかった。
「なに……え……」
「とにかく、ショーンが何を言ったか知らないが、エリックはこんなことをすることはないんだから……」
エリックの肩を掴んで、ブラッドは乱暴にゆすぶりながら言い募った。エリックはもうその言葉が耳に入っていなかった。
「え……あ……ブラッド……」
「悪い、つい……」
名前を呼ばれてやっとブラッドは、エリックの腕に痣がつくほど力を込めて掴んでいたことに気がついてその手を離した。
「うん、ごめん……」
「いや、分かってくれれば……いいんだ、エリック……」
「うん……ブラッド……す、すまない、も、もう１度……シャワーを……」
「ああ、エリック」
ブラッドはうつむくエリックの額にキスをした。
エリックは震えそうになる口と瞼を抑えているので精一杯だった。
「無理することはないんだ。ショーンにもそう言っておくから」
「うん……」
なるべくブラッドのほうを見ないようにしてベッドから降りたエリックは、ブラッドに背を向けてバスローブの前をかきあわせると言った。
「さ、さきにやすんでてくれ、ブラッド……」
どうにかそれだけを言うと、エリックは続き部屋になっているバスルームへと駆け込んだ。それがもう限界だった。
（……消えてなくなり、たい……）
バスルームはさっきエリックが使ったときの石けんの匂いがまだ残っていた。
（な、なんてバカなことを……なんて……）
ドアを閉めるともうダメだった。シャワーカーテンもトイレも棚も、何もかも涙でかすんで輪郭がぼやけて見えた。
（ブラッドがあきれても当然だ……あんな、あんな……）
どうにかバスタブに辿り着くと、バスローブを脱ぎ捨てるのももどかしくシャワーのコックをひねった。
そして、降り注ぐシャワーの雨の音にかくれて泣いた。膝を抱えて、シャワーに打たれるままに。涙はなかなか止まろうとはしなかった。
（ど、どうしてあんなバカなことを……なんておこがましい……）
しゃくりあげすぎて苦しくなった。何度も咳き込みながら、それでも涙は止まらなかった。
自分のバカさ加減、考えのなさを思うにつけ、泣けてきてしまうのだった。
（……も、ダメかもしれない……ブラッド……ブラッド……）
早く出ないと、ブラッドが心配するかもしれない、そうも思ったがなかなか、エリックは立ち上がることが出来なかった。
（……っ）
それでも、ちょっとした動きにつれてさっきの感覚が甦った。ほんの先端だけだったが確かにブラッドの熱いものを押し当てたあの感触は
鮮明だった。シャワーの水でも強い自責の念でも、１度知ってしまったそれは、おいそれとエリックから消えてはくれないようだった。
（このまま消えてなくなりたい……）
ざあざあという水の音に紛れたエリックの涙は、なかなか止まろうとはしなかった。
（ちっくしょうショーンの奴……）
ブラッドはむかむかしながらパジャマを直してベッドにもぐりこんだ。バスルームに向かうエリックの後姿が目に焼き付いていた。
気の毒なくらい肩を落としていたエリックを、あのまま見ていたら駆けていって、抱きしめたくなってしまうに決まっているから背を向けてベッドに
逃げ込んだのだった。
（明日ぎゅうぎゅうにしぼってやる……まったく……）
幸か不幸かショーンに対する怒りで、ブラッドの猛りはしずまっていた。そうでなければ今頃は、ひとりで処理しなくてはならないところだっただろう。
（でも……エリックの、ナカ……熱かったなぁ………）
入ったのはほんの先端、それでもエリックのナカを知るのには充分だった。ブラッドがあれほど知りたいと思っていたエリックの。
（すごく、熱くて……狭そうで、あんなちょっとでもまるで、誘い込むようで……やべ）
思い出しただけで、ブラッドのモノは反応し始めていた。それほど焦がれていたエリックのナカは刺激的過ぎた。
（ああ、ちくしょう！あれがエリックの本意だったらなぁ……そしたらもう、サイコウなのになぁ……ちくしょう、ショーンの奴……）
明日になったら締め上げて、ぎったんぎったんにして……と思うことでどうにかムスコを鎮められそうでブラッドはほっと息を吐いた。
（それにしても、エリック……いやいやいや！ショーンの奴、いつの間にエリックと？電話でもしたのかな？ああでも、エリックが……う、わぁ……）
いけないいけないと思っても、自然と思いはソコヘ還っていった。それくらいブラッドにとっては、
夢にまで見た瞬間で。
（まったくもう！エリック、すごく熱くてやわらかくてきつくて……ああ、エリック……ちっくしょう……エリック……）
思い出せば歯軋りが出た。今夜もまた、眠れそうになかった。
相和している夫婦といえばマーガレット奥さんたちなわけです。
だからメニューはおだんごのシチューとボイルドビーフ（笑）。
おだんごのシチューってどんなんだろうと思うんですが
シャーロック・ホームズもいたであろう頃の
バジル氏の話にも出ていたところを見ると
出所がイングランドなところを見ると
いずれ伝統的な家庭料理と思われます。
ボイルドビーフに添えられていたので、シチュー＝煮込み。
小麦まんじゅうの煮込み、といった感じなのではないかと。
ゆで肉と小麦まんじゅうの煮込みなら、
それだけでおなかいっぱいになりそうだし。
とかいったことを縷々述べて結末に触れずにすまそうかと（笑）。
どっちもがんばれお２人さん！とりあえず
もったいないおばけの出そうなブラッドさんは
いくらでも枕を歯軋り涎で濡らしてください。自業自得だ。