「子育てって難しいな、ブラッド」
ため息をつきながらエリックは言った。
「ああまあそりゃあね。人ひとりを、いっぱしにしようってんだからそれなりにね」
１日の仕事を終えた楽しみの１杯をやりながら、ブラッドは達観したようなことを言った。
「何がいけないんだろう？やっぱり実の親でもないし、男手ばかりというのがいけないんだろうか？」
対するエリックはあくまで真面目だった。真面目に事態を憂えていた。
「関係ないよ、そんなの。どんな親、どんな環境だっていい子はいい子に育つもんだよ？そりゃ、愛してくれて金が潤沢にある親なら言うことないだろうけどさ。そうじゃなくても素晴らしい子に育つっていういい証拠がここにいるじゃないか」
「あ、ブラッド……」
「エリックはかわいいな……」
「こらー！何を人をだしにしていちゃついてるかー！！」
２０世紀に向けて、子供たちは大変だ。