何が起こったのか理解するのには時間がかかった。
否、納得したのではないが、認めざるをえなかったのだ。
しかし。
（こ、これはいったい――――っ！？）
頭を抱えたかった。事実抱えてみた。何の問題解決にもならなかったが。
この神の家の住人は現在２人だった。そのうちの１人は、たいそう人懐こく、教会を管理運営する立場の神父に大変親しみを抱いていて、ぶっちゃけベッドにもぐりこんでくることはよくあった。もとは教会まえに行き倒れていたという経緯があったので、神父としても無下には出来ず、やむを得ず一緒に寝ることもあった。
しかし、こんな風に何も着ていない状態だったことは無論なく――――。
神父はごく自然に途方に暮れた。（驚いてる驚いてる）
寝たふりをしながら、教会の居候は実は起きていた。ふりなら得意技だった。
（もしこれで俺が女だったらきっと）
頭を抱えて、「ああ……！」とか苦悩しているであろう神父の気配を全身で感じながら、内心にやにやしながら考えた。
（がしっと手をとってこう……「責任は取る！結婚しようっ！！」とか言いそう。神父様ひっかかりやすいなぁ……俺が気をつけてやらなくちゃなぁ）
はめといて何を言うか、であった。
（いつ起きようかな？いついたずらだって言おうかな？怒られるかな？）それはきっと。
言ってみてのお楽しみ。