「ぐあー！」
がきがきがきがき。
「うおーっ！！」
ぐきぐきぐきぐき。
「おごぁっ！！」
ぐいぐいぐいぐい。
「うおっとーっ！」
もみもみもみもみもみ。
「うっわ………っ」
もひとつもみもみ。
へにゃへにゃのとろとろにヘン、シッン！「うわ……効いたぁ、でもありがとショーン………」
くったりとベッドに懐きながらヴィゴは言った。
「どういたしまして。少しはいいかい？」
「ものすごーくイイ……あんたマッサージ師になっても食っていけるよ……」
「ははは、そりゃ光栄だ」
撮影中、剣を振るう『アラゴルン』の動きがおかしいと言って問いつめたのは、『ボロミア』のショーンだった。
何のことはない筋肉疲労で。早い話が凝っていて。
何しろ日頃しない動きのオンパレードなので。
それでそれならちょっともんでやろうかということになって。
ヴィゴのレンタハウスまでやって来て。
それでもって現在に至るわけだった。「ほら、服着た着た！風邪引くぞっ」
ばさり、と脱ぎ捨てていたシャツを、ハダカの背中を見せているヴィゴに被せた。
「うーん、もうちょっとー」
「朝起こされてるんじゃないんだから」
苦笑しながらショーンは言った。
「飯も食わないとならないぞー。ピザ買ってあるけど」
「うーん、フライパンで焼いてー。レンジやだー」
「子供かい君は！っていうかわたしがやるのか？」
一応これでも客なのに？とショーンが言えば。
「ごめーん、今動けないー」
この借りはいつか必ず！と寝そべりながらヴィゴは言った。決意だけは立派。
「いいよ、いいよ。それじゃキッチン借りるよ？」
よろしくお願いしまーす、と今は言っているけれど、これは寝るなきっと寝る。ピザをあたためたら、起こして飯を食わせないと、とショーンは決意しながら部屋を出て行った。（気持ち、良かったけどでも）
（マッサージなんだマッサージ！他意はない！うん、ないっ！）
（良かったんだけど良かったんだけど……）
（ないといったらないっ！！）
今後に、期待？