「あ……そこ……あ……イイ……」
もみもみもみもみ。
「うー、き、くなぁ……」
もみもみもみもみ。
「あー、そこそこそこ、そこっ！」
……もみもみもみもみ。
「くーイイ！サイコウっ！！」
もみもみもみもみもみ。
「はぁ……もう、溶けちゃいそう……」
もみもみもみもみ……。
「ふにゃ…ん……」
ブ――っ！
その声は反則です。「あり、がとうブラッド……マッサージ上手いなぁ……」
相変わらずソファに身を投げ出して、はんにゃりしながらエリックは言った。
「どういたしまして」
直接ではマッサージしにくいから、と被せるのに使っていた布を畳みながらブラッドは答えた。
いやに時間をかけて、丁寧に。
「あんなとこも凝るもんなんだなぁ……」
「乗りなれてないからだろ」
お茶もらうぞ、というブラッドに何でも使って何なら冷蔵庫空っぽにしてもいいよ、と言いながらまだ起き上がれないエリックだった。
「それに股関節は一番良く使う場所だからな」
「そうなんだね……あー、クセになりそう！」
背中を向けたブラッドの肩が、ピクリと跳ねた。「……マッサージしたら汗かいた。シャワー借りてもいいか？」
「どうぞー本当にありがとうブラッド」
「いや……」
そそくさとブラッドはトレーラーハウスのシャワールームに消えていった。
そう言えばマッサージをしているときから、１度も顔を見せなかった。
「……揉んでるうちにブラッドも凝ってきたのかな？」
なにしろ『アキレス』も運動量激しいからなー、とソファの上で寝返りをうちながらエリックは考えた。
上はタンクトップ、下は短パン姿で。
「出てきたら、今度は俺が揉んでやろう」
うん、そうしよう！とエリックは決意した。
果たしてそれは。
恩返しになるや否や？